彼らが登場するまで、本格的なクラシック楽器とクラブトラックの融合は「実験的な試み」の域を出ていなかった。しかし、ケンブリッジ大学で出会ったメンバーたちが結成したこのグループは、その壁を鮮やかに打ち砕いてみせた。
バイオリンを担当するグレース・チャトー(Grace Chatto)を中心に構築された繊細な弦楽器のアンサンブルは、打ち込みのベースラインと絶妙なバランスで絡み合う。ポップでありながらどこか気品があり、切なさを帯びたメロディ。この独特の構造は、保守的だった音楽産業に強烈なカウンターパンチを見舞った。
既存のジャンルの枠組み組みを軽々と飛び越えるそのアプローチは、のちのダンスミュージックのプロダクションにも多大な影響を与え、エレクトロ・ポップの可能性を大きく切り開くこととなった。