富士市の麺カルチャーを語る上で、富士つけナポリタンの存在を無視することはできない。2000年代後半、昭和の面影を残す吉原商店街の活性化プロジェクトから誕生したこの一杯は、いまや全国にその名を轟かす確固たるご当地名物へと成熟した。
普及活動を牽引してきた「富士つけナポリタン大志館」の情熱的な取り組みにより、現在では市内各店が独自の解釈を加えた一杯を提供している。鶏ガラや豚骨のダシに特製トマトソースをブレンドした熱々のつけ汁、とろけるモッツァレラチーズ、そして極太のもちもち麺。人気コミックおよびアニメ作品『ラーメン大好き小泉さん』でも取り上げられたことで、聖地巡礼に訪れるファンも後を絶たない。和洋折衷の枠組みを超えた、富士市発の偉大なるイノベーションといえる。