NIGO(本名:長尾智明)がこれまでに立ち上げ、あるいはディレクションを手掛けてきたプロジェクトは、ストリートウェアから大衆衣料、果ては最高峰のフレンチラグジュアリーまで多岐にわたります。まずは、彼の輝かしいキャリアを形成する主要ブランドの全体像を俯瞰します。
キャリアの原点となったのは、1993年にデザイナーの高橋盾(JONIO)と共に原宿にオープンしたショップ「NOWHERE」であり、同年に始動したA BATHING APE(BAPE)です。猿のアイコンや独自の迷彩柄「カモフラージュ」、ジップをフードの頂点まで閉める「シャークフーディ」は世界的な社会現象を巻き起こしました。
その後、BAPEを離れたNIGOが「本当に自分が着たいヴィンテージ」を具現化すべく2010年に立ち上げたのがHUMAN MADE(ヒューマンメイド)です。過去のワークウェアやミリタリーへの偏愛をポップに昇華させたこのブランドは、現在世界中のセレブリティを虜にするトップブランドへと成長しました。
さらに特筆すべきは、グローバル企業や名門メゾンからの招聘です。2013年から約6年間にわたり務めたユニクロ「UT」の初代クリエイティブディレクター、盟友ヴァージル・アブローとの協業によるルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)とのカプセルコレクション「LV²」、そして2026年に就任したLVMH傘下のKENZO(ケンゾー)アーティスティックディレクターと、その活躍領域はストリートの枠を遥かに超越しています。