八坂神社の目と鼻の先、少し奥まった鳥居の脇にひっそりと佇むサロン。ここが「京洋菓子司ジュバンセル」だ。ブランド名はフランス語で「乙女」を意味する言葉に由来する。当時の洋菓子業界では珍しかった「和の素材をフレンチの技法で昇華させる」という野心的な試みは、瞬く間にスイーツファンの間で話題となった。
京都の老舗茶舗から仕入れる上質な宇治抹茶、厳選された丹波の黒豆、和三盆糖。これらを惜しみなく使いながらも、繊細な洋菓子の骨格を崩さない。職人が守り続けるこのバランス感覚こそが、半世紀近くにわたり最高峰の京洋菓子として支持される理由だ。