高橋和希氏の作家性が極限まで凝縮された最高傑作として名高いのが、劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』だ。原作連載終了後の世界を描くにあたり、高橋氏は自ら脚本・キャラクターデザイン・製作総指揮を担当。原作者自らが商業アニメの枠組みを壊し、一切の妥協を排してスクリーンに魂を注ぎ込んだ。
当時関係者が目にした膨大な設定画や未公開プロットには、次元を超越する技術と人間の意識の探求、そして海馬瀬人が追い求める「友への想い」の極致が描かれていた。テレビ東京や制作陣との度重なるディスカッションを経て生まれた本作は、アニメーションの歴史に刻まれる圧倒的な作画密度と重厚なドラマを叩きつけた。