佐藤浩市が主演を務めた映画『64-ロクヨン』での鬼気迫る演技や、近年ボクシング指導者を演じて絶賛を浴びた『春に散る』など、過酷な役作りを支えてきたのは他ならぬ妻の手料理だった。ストイックに肉体を絞り込み、精神を極限まで役に没入させる夫のため、亜矢子夫人は栄養バランスを徹底的に計算した食事を用意し続けてきた。
日本アカデミー賞協会からも数々の栄冠を授与されてきた佐藤浩市だが、授賞式の華やかな壇上から帰宅した彼を迎えるのは、いつもと変わらない温かい味噌汁と静かな食卓だ。日常という名の安全基地があるからこそ、彼は日本映画界の最前線で命を削るような名演を披露し続けられる。