この重厚で複雑怪奇な家族の力学は、長年にわたり日本のカルチャー、とりわけ映画やドラマの格好の題材となってきた。その中心地として機能してきたのが、太秦を拠点とする東映京都撮影所や、京都の劇文化を支えてきた松竹株式会社だ。
時代劇の黄金期を築き上げたこれらのスタジオは今、激変の渦中にある。かつての勧善懲悪や様式美にとどまらず、閉鎖的な土地柄に潜む人間の業や、近代化との摩擦を描く骨太な企画が次々と立ち上がっている。撮影所の熟練スタッフたちは、伝統的なセット技術や光と影の演出力を駆使し、現代の観客が息を呑むリアリズムを映像に吹き込む。
日本の映画産業において、京都は単なるロケ地ではない。土地そのものが持つ歴史の厚みと、そこで培われた職人技が合流する特異な磁場として、映像制作業界の新たな潮流を牽引している。