二人の物語の幕開けは、1990年代初頭にまで遡る。当時、馳浩は新日本プロレスのリングで闘魂を燃やすトップレスラーであり、専修大学レスリング部出身の理論派としても異彩を放っていた。一方の高見恭子は、ファッションアイコンであり、切れ味鋭いトークで情報番組を彩る時代の寵児。接点などまるで見当たらない二重奏だった。
きっかけはテレビ番組での共演だった。野性味とインテリジェンスが同居する馳の人間味に、高見は直感的な敬意を抱いたという。プロレス界の過酷な巡業とケガのリスク、そして世間の偏見とも闘いながら、馳は彼女に対して誠実無比なアプローチを重ねた。1994年の結婚発表は、当時の芸能・スポーツ報道において特大のサプライズとして列島を駆け巡った。