火のないところに煙は立たない。だが、立ち上った煙はあまりにも黒く誇張されていた。「完全閉店するらしい」「主要テナントが一斉に撤収する」といった極端な言説が投稿され、一部で炎上まがいの騒ぎとなったのは記憶に新しい。
この噂の真相を探ると、複数の個別要因がネット上で都合よく結びつけられていたことが分かる。発端は、施設内の一部大型専門店が契約満了に伴い相次いで閉店告知を出したことだった。さらに、親会社による全国的な店舗リストラ計画の報道が重なり、文脈を無視した切り抜き情報が拡散。「鷲宮も対象なのでは」という推測が、いつの間にか確定情報のように語り継がれてしまったのだ。
現地のインフォメーションカウンターには問い合わせが殺到し、現場のスタッフが対応に追われる場面も見られた。不安が不安を呼び、事実無根の尾ひれがついた典型的なデジタル空間の伝言ゲームであった。