公衆衛生の観点から見ても、関節リウマチは決して珍しい病気ではない。厚生労働省の統計によると、国内の患者数は数十万人規模に上り、30代から50代の働き盛りの女性に好発することが知られている。この年代は、キャリアの構築、家事、育児、介護など、複数の社会的重圧が重なる時期と完全に一致する。
日本リウマチ学会が策定する「関節リウマチ診療ガイドライン」においても、早期診断と早期の生物学的製剤・JAK阻害薬等による積極的治療が推奨される一方、環境因子としての過度な精神的・身体的ストレスのコントロールが治療効果を左右する要素として言及されている。遺伝的素因(HLA-DRB1遺伝子など)を持っていたとしても、引き金となるストレス環境や性格由来の過重負荷を早期に回避できれば、発症を遅らせたり軽症にとどめたりできる可能性が示唆されている。