伝統と再開発が織りなす神戸東灘区、住民が語る本当の住みやすさ

伝統と再開発が織りなす神戸東灘区、住民が語る本当の住みやすさ

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ガイドブックに載る有名スポットの裏側にこそ、地元民が溺愛する東灘の素顔がある。その代表格が、住吉川の河川敷遊歩道だ。上流から海へと注ぐこの清流は驚くほど水が澄んでおり、初夏には天然のアユが遡上し、夜にはホタルが舞う。護岸は美しく整備され、朝夕には愛犬の散歩やランニングを楽しむ近隣住民の社交場となっている。都会の利便性を享受しながら、日常の中で川のせせらぎに足を浸せる環境は、住民にとって最大の贅沢と言える。

食のカルチャーも見逃せない。東灘は知る人ぞ知る「パンと洋菓子の激戦区」だ。御影や岡本の路地裏には、創業半世紀を超える老舗ベーカリーから、フランス仕込みの新進気鋭パティスリーまでがひしめく。気取らない町の総菜パンから宝石のようなプティガトーまで、住民はお気に入りのマイショップをいくつも使い分けている。週末の朝、焼きたてのバゲットを抱えて歩く人々の姿はこの街の風物詩だ。

さらに、阪急岡本駅から少し歩いた山手にある小さな茶房や、酒蔵の敷地内にひっそりと佇む隠れ家ダイニングなど、目立った看板を出さずに常連で賑わう穴場が点在する。地元住民が大切に守り育ててきた落ち着いた空気感こそが、外から訪れる人々をも魅了してやまない。

田中 結衣
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田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。