現在、学校現場で教鞭を執る教員の中には、2001年当時にまだ生まれていなかったり、幼少期だったりした世代が急増している。事件の生々しい記憶を持たない教員たちに、あの日の教訓をどう引き継ぐか。これが今、最も深刻な課題となっている。
大学の教職課程で学校安全について学ぶ機会は増えたものの、教科書上の知識だけでは、いざという時の緊迫感は伝わらない。遺族らは自ら教員養成大学や研修会に足を運び、当時の状況や、我が子を失った親の絶望を語り続けている。記憶の風化を食い止めることこそが、新たな犠牲を防ぐ唯一の盾だからだ。