秋風が立ち始めると、誰からともなく「三角チョコパイの季節」という言葉が囁かれ始める。マクドナルドはこの「季節感」をブランド価値へと見事に昇華させた。限定スイーツ自体は他社にも数多く存在するが、CMを通じて「秋の訪れ=三角チョコパイ」という強固な条件反射を消費者の脳内に刷り込むことに成功した例は極めて珍しい。
カレンダーの日付ではなく、テレビやスマホから流れてくるCMのメロディによって季節の移り変わりを知る。この現代ならではの現象は、マクドナルドが長年積み重ねてきたメディア戦略の集大成と言える。消費者は商品そのものを買うだけでなく、「秋の到来を楽しむ」という体験そのものを買いに店舗を訪れているのだ。