オカルトファンを熱狂させたフラットウッズ事件ですが、アメリカ空軍の未確認飛行物体調査チーム「プロジェクト・ブルーブック」や、後世の懐疑派調査官ジョー・ニッケル氏らによる徹底した検証によって、現在では極めて現実的なメカニズムが提示されています。結論から言えば、正体の最有力候補は「威嚇状態の大型メンフクロウ」と環境要因の重なりです。
検証結果を整理すると、以下の複合的な要素が一連の怪現象を作り出したと考えられています。
第一に、空を横切った燃える光は、同日にアメリカ北東部で広範囲に観測された巨大な隕石(火球)の軌跡と完全に一致していました。山林の向こうに見えた赤い光も、近隣の空港に設置されていた航空障害灯の赤色点滅が霧に乱反射したものであったことが判明しています。
第二に、最大の謎である怪物の姿です。夜行性のメンフクロウが木の枝に止まり、外敵から身を守るために翼を広げて威嚇するポーズをとると、スペード型の頭部と裾広がりの胴体というシルエットが正確に再現されます。さらに、懐中電灯の強い光が反射して赤く光る目(タペタム反射)、鋭い鳴き声、木から滑空して飛び降りる動作が、暗闇と恐怖心によって「浮遊しながら迫る3メートルの巨人」へと脳内補正されたと結論付けられました。
喉の痛みや吐き気を催したとされる「異臭の霧」についても、硫黄を含んだ鉱山地帯のガスや有毒植物の成分、あるいは極度のパニックによるヒステリー反応の身体症状として説明がつけられています。