一般的に広く信じられている「排卵日の当日に体温がガクッと下がる(最低体温日・陥落日)」という俗説ですが、生殖医療の現場においてこれは絶対的な指標ではありません。
日本生殖医学会などの報告によると、最低体温日に排卵が起きる割合は約20〜30%程度にとどまります。実際には以下のような多様なパターンで排卵が発生しています。
- 最低体温日(体温が下がった日):約20〜30%
- 最低体温日の前日(低温期の終盤):約25%
- 体温が上がり始めた日(低温期から高温期への移行期):約35〜40%
- 完全に高温期に入った初日:約5〜10%
このように、最も多いのは「体温が上がり始めている最中」の排卵です。体温が下がったのを確認してから性交渉を持っても、すでに排卵から時間が経過して受精可能期間(排卵後約12〜24時間)を逃してしまうケースが少なくありません。排卵日をピンポイントで予測する目的において、基礎体温の低下だけに頼るのはリスクが高い判断といえます。