『恋人失格』の歌詞における最大の核心は、主人公である男性が彼女を嫌いになったわけではなく、むしろ「自分自身の不甲斐なさと甘え」に耐えかねて逃げ出したという点にあります。
『たばこ』の中で女性は「もっとちゃんと好きって言えばよかった」「気付かないふりをしてたの」と自らの至らなさを悔やんでいます。しかし、『恋人失格』で明かされる男性の本音は全く逆のベクトルを向いています。彼女の優しさや献身に甘え続け、彼女が本当に求めていた言葉や未来を与えられない自分に対して、激しい自己嫌悪を抱いていた事実が克明に綴られます。
特に象徴的なのが、「恋人失格」というタイトルの重みです。相手を傷つけて一方的にサヨナラを選んだ自分は、恋人としての資格など最初からなかったのだという痛切な自虐。サビで繰り返される自責の言葉には、振った側でありながら深い傷を負っているという、失恋のもう一つのリアルが凝縮されています。