全国の大半の神社では「二礼二拍手一礼」が標準とされていますが、出雲大社では古くから二礼四拍手一礼の作法が厳格に守られています。これには明確な神道儀礼上の背景が存在します。
出雲大社の例大祭など最も厳格な祭儀では「八拍手(やてうち)」が行われます。数字の「八」は無限や末広がり、神への至高の賛美と畏敬を表す聖数です。日常の参拝における四拍手は、この八拍手を半分にした略礼であり、神職・参拝者が神霊に対してより深い敬意を示すための伝統作法とされています。また、四季(春夏秋冬)の実りや東西南北の守護への感謝を込めているという説も広く伝わっています。
御本殿西側遥拝場で「神様と正面対峙」する必須ルート
八足門(やつあしもん)の前から御本殿を拝むと、参拝者は北を向いて手を合わせることになります。しかし、国宝である御本殿内部の構造上、大国主大神の神座(ご神体)は西を向いて鎮座されています。
つまり、正面から手を合わせた状態では、神様を横から拝んでいる配置になります。そこで必ず立ち寄るべき場所が、御本殿の西側に設けられた「西側遥拝場」です。ここから社殿に向かって祈りを捧げることで、大国主大神の真正面から直接思いを届ける形が完成します。正面参拝だけで境内を後にしてしまう観光客が多い中、この西側遥拝場での参拝こそが出雲巡礼の要です。