仙台大神宮が「宮城のお伊勢さま」と称される背景には、単なるPR文句ではない重厚な歴史的経緯が存在します。その起源は明治維新期、伊勢神宮への参拝(お伊勢参り)が庶民にとって一生に一度の悲願であった時代に遡ります。遠方である東北の地からでも伊勢の神宮を直接拝礼できるよう、御分霊を勧請して創建されたのが発端です。
その後、全国的な国家神道の再編に伴い「神宮奉斎会宮城本部」へと改称され、地域における神宮信仰の中核拠点として機能しました。しかし、最大の転換点は1946年、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が発令した「神道指令」によって訪れます。国家管理から宗教法人へと完全分離を余儀なくされた宮城本部は一度解散を決断。地域の崇敬者たちの熱意と奔走によって、民間の単立宗教法人「仙臺大神宮」として独立・再興を果たしました。
一部のネットコミュニティで見られる「歴史の浅い新興神社ではないか」という憶測は完全な誤解です。国家の激動期に信徒の手によって伊勢の神火を守り抜いたという強固な精神的基盤があり、現在も伊勢神宮の内宮・外宮の主祭神である天照皇大神(あまてらすごとおおかみ)および豊受姫大神(とようけびめのおおかみ)、さらに天地開闢の「造化三神」を祀る正統な由緒を有しています。