タイヤの空気は、パンクしていなくても分子レベルの隙間から自然に抜け続け、1ヶ月でおよそ5%から10%低下します。これを「まだ見た目が凹んでいないから」と放置することが、家計と安全にどれほどのダメージを与えるのか、数字で直視しなければなりません。
空気圧が適正値から低下すると、路面との転がり抵抗が増大し、タイヤがスムーズに回転しなくなります。経済産業省資源エネルギー庁の試算データでは、適正値より50kPa(約0.5kgf/cm²)不足した状態で走行を続けると、市街地で約2.5%、郊外や高速道路では最大4%近く燃費が悪化することが実証されています。ガソリン価格の高騰が続く中、空気圧の放置は毎月の給油代を自ら無駄にドブへ捨てている状態と同義です。
さらに深刻なのが、高速道路走行前の空気圧点検の重要性です。JAF(日本自動車連盟)が発表した高速道路での救援出動理由において、「タイヤのパンク・バースト・エア不足」は全体の約4割を占め、長年トップに君臨し続けています。低空気圧のまま時速80km以上の高速走行を続けると、タイヤのたわみが波状に変形する「スタンディングウェーブ現象」が発生し、数分間のうちに異常過熱してトレッド面が吹き飛ぶ大惨事を引き起こします。