女優としての成功と並行して、土屋アンナの表現欲求は音楽へと注ぎ込まれていきました。2002年に結成したロックユニット「Spin Aqua」を経て、2005年からは本格的にソロ名義での音楽活動をスタート。そして2006年、彼女のパブリックイメージを決定づける巨大なムーブメントが巻き起こります。それが社会現象となった日本テレビ系アニメ『NANA』における大崎ナナの歌唱キャストへの抜擢でした。
「ANNA TSUCHIYA inspi' NANA(BLACK STONES)」名義でリリースされたオープニングテーマ『rose』は、オリコンウィークリーチャートで初登場6位を記録。ハスキーで芯の太いシャウト、日本人離れしたグルーヴ感、そして内面の痛みを叩きつけるようなボーカルスタイルは、矢沢あいが描く原作コミックのカリスマボーカリストそのものでした。
土屋アンナ NANA歌手活動は国内にとどまらず、フランスの「Japan Expo」やドイツ、アメリカなどの海外フェスにも招聘され、現地のロックファン数千人を熱狂させました。ステージ上で激しくヘッドバンギングをしながら全身全霊で歌い上げる姿は、モデルや女優の「片手間の音楽活動」といった世間の色眼鏡を完全に粉砕し、本格派女性ロッカーとしての確固たるレガシーを刻み込みました。