主婦の店さいちのおはぎを手にして驚くのは、その圧倒的な重量感だ。一般的なおはぎの倍近いサイズがありながら、口に運ぶと不思議なほど重さを感じさせない。米ともち米の絶妙なブレンド、そして何より小豆の風味を殺さない絶妙な塩加減と控えめな甘さ。防腐剤や保存料を一切使わないため、消費期限はその日のうちに限られる。
近年の農産物や小豆の価格高騰、包装資材の値上がりに直面しながらも、さいちが頑なに守り続けているのは「家庭の味の延長」という原点だ。創業者夫妻が何百回もの試作を重ねて生み出したレシピは、徹底して手作業の温もりを残す。機械で均一に丸められた商品にはない、指先の加減が生む柔らかな口当たりこそが、中毒的なリピーターを生む最大の要因だ。