杉野遥亮が俳優としての大きな転換点を迎えた作品として、多くのドラマ評論家や現場スタッフが口を揃えて挙げるのが、2026年7月期に放送されたフジテレビ系GP帯初単独主演作『ばらかもん』です。長崎県・五島列島の雄大な自然を舞台に、挫折した若き書道家・半田清舟が島民たちとの温かな交流を通じて再生していく本作。当時の制作発表記者会見で杉野は、「清舟という人間と向き合う中で、自分自身の内面にある弱さや傲慢さとも否応なく向き合わされた」と語っています。
本作における杉野遥亮の『ばらかもん』での評判は、原作ファンからも絶大な支持を獲得しました。都会育ちのエリートが持つ神経質な潔癖さと、子どもたちの無邪気さに翻弄されて徐々に心の鎧を脱いでいくグラデーション。特に、子役・宮崎莉里沙演じる琴石なるへ向ける眼差しの変化は、「演技を超えて本物の家族のような絆が宿っていた」と放送当時からSNS上で大きな反響を呼びました。
その確かな手応えを経て、2026年7月期のカンテレ・フジテレビ系月10ドラマ『マウンテンドクター』では、山岳医療という未踏の領域に挑む青年医師・宮本歩役で主演を務めました。北アルプスの厳しい実景ロケが敢行された過酷な現場において、杉野は過剰なヒロイズムを完全に排し、自然の圧倒的な脅威を前に無力感に打ちひしがれる医師の苦悩を等身大で体現しました。
放送関係者の証言によると、「現場での杉野さんは、医療指導の医師に休憩時間中も質問を重ね、聴診器の当て方や手袋を外す指先の震え一つにまで徹底して真実味を求めていた」と伝えられています。視聴者からも『マウンテンドクター』の評価として、「単なる医療エンタメではなく、生と死の境界線に立つ人間の倫理観を深く考えさせられた」という声が多数寄せられました。主演として作品全体の空気感を背負い、共演者の良さを引き出すアンサンブルの中心としての力量を決定づけたといえます。