「とりあえず膝全体を覆うように貼る」というのは最も効果が出にくいアプローチです。湿布に含まれる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、皮膚から直接浸透して直下の組織に作用するため、病変が存在する深部組織の直上に貼る必要があります。
代表的な痛みのアライメントごとに、狙うべき正確な位置を把握しておきましょう。
膝の内側が痛む場合(変形性膝関節症の初期〜中期・鵞足炎)
中高年の膝痛で最も頻度が高いのが内側の痛みです。狙うべきは、お皿の内側下部にある「関節裂隙(大腿骨と脛骨の継ぎ目)」または脛の骨の内側にある「鵞足(がそく)部」です。指で押して最もツンと痛むポイント(圧痛点)を中心にして、スリットを入れた湿布を内側から斜め下に向けて密着させます。
膝のお皿の周り・下が痛む場合(膝蓋靭帯炎・ジャンパー膝など)
お皿の骨自体に貼っても薬効は届きません。お皿のすぐ下から脛の出っ張り(脛骨粗面)に向かって伸びる膝蓋靭帯を覆うように、湿布を横長またはV字にカットして貼り付けます。
膝の裏が痛む場合(ベーカー嚢腫・膝窩筋の炎症)
膝裏は皮膚が薄くデリケートなため、かぶれやすい難所です。膝を軽く伸ばした状態で、膝裏のシワの真ん中にある凹み(膝窩)を中心に貼ります。ただし、完全に伸ばしきった状態で強く引っ張って貼ると皮膚を痛めるため、「テンションをかけずに皮膚の上にそっと置く」ように貼るのがコツです。