大手クリーニングチェーンの技術責任者や現場の職人に取材を行うと、「家庭洗濯で落ちなかった」と持ち込まれる衣服の多くに、共通した処理ミスが見られるといいます。
現場のシミ抜き担当者は次のように証言しています。
「お客様がご自宅で一生懸命擦ったり、市販のスプレー洗剤をかけてそのまま乾かしてしまったりした衣類は、汚れが繊維の深部で熱変質・樹脂化を起こしています。最初の段階で擦らず、油分を溶かす前処理さえしてあれば、家庭でも9割以上のファンデーション汚れはきれいに落ちるはずなのです」
SNSやネット掲示板上では「ベンジンを使えば一発で落ちる」「除光液が効く」といった過激な裏ワザも散見されます。しかし、アセトンを含む除光液はアセテートやレーヨンなどの化学繊維を一瞬で溶かして穴を開けるリスクがあり、ベンジンは揮発性と引火性が高く一般家庭での取り扱いには重大な事故リスクが伴います。ネット上の極端な情報を鵜呑みにせず、安全性の確立された界面活性剤ベースの手順を厳守することが重要です。