全国の市民農園やプランター栽培の現場を取材すると、トマトの葉が丸まるトラブルの約7割が「栽培者の良かれと思った過保護管理」に起因している実態が浮き彫りになります。園芸愛好家のコミュニティやSNSに投稿される相談事例を精査しても、「実を大きくしたいからと毎週のように固形肥料と液肥を併用していた」「葉が巻いたのを見て水不足と早合点し、毎日朝夕に大量注水して根腐れを起こした」という告白が後を絶ちません。
特に定植から第1花房が着果・肥大する時期にかけては、植物体自体の樹勢コントロールが極めて繊細です。元肥として油かすや化成肥料を過剰に投入した土壌では、土壌中の硝酸態窒素濃度が跳ね上がり、土壌電気伝導度(EC値)が基準値を大幅に超過します。その結果、トマトの茎は極端に太くなり、濃い深緑色に変色した葉が異常なほど内側に巻き込んでいくのです。
農業試験場の技術資料や専門機関の栽培データにおいても、トマトは元来アンデス山脈の乾燥地帯原産であり、過湿や過剰な養分環境を嫌う性質が指摘されています。現場で起きている葉の異常カールの多くは、病原菌による被害ではなく、人間側が与えすぎた肥料と水によって引き起こされた「代謝不全の悲鳴」と言えます。