宮沢和史のキャリアを語る上で欠かせないのが、1990年代前半における圧倒的なクリエイティビティの開花です。1992年に発表された『島唄』は、宮沢が沖縄戦の悲痛な歴史とひめゆり学徒隊の悲劇に深く心を揺さぶられ、「本土の人間として、真摯にこの歴史と向き合わなければならない」という強い使命感から紡ぎ出された楽曲でした。
沖縄限定盤の発売を経て、1993年の全国発売で150万枚を超えるミリオンセラーを記録。当時の歌番組や音楽特番で見せた、サンシンを手に魂を込めて熱唱する宮沢の姿は、神聖さすら漂う美しさとして多くの視聴者の脳裏に焼き付いています。さらに1995年にはサンバのリズムを大胆に取り入れた『風になりたい』を大ヒットさせ、日本のポップスシーンにおけるラテン・民族音楽の融合という金字塔を打ち立てました。
その際立ったルックスと圧倒的な表現力は、俳優界からも熱狂的なラブコールを受けました。若い頃から数々の映像作品に出演しており、フジテレビ系ドラマ『恋のチカラ』(2002年)での洗練されたバーテンダー役や、TBS系スペシャルドラマ『さとうきび畑の唄』(2003年)、『二夜連続ドラマSP 刑事・鳴沢了』など、硬軟問わない確かな演技力で高い評価を獲得。単なる「ミュージシャンの客演」に留まらない重厚な存在感を示しました。