二浪の末に京都大学へ入学した主人公・安倍明は、葵祭の警備アルバイトの帰りに見かけた美女・早良京子の美しい鼻筋に一目惚れしたことをきっかけに、謎のサークル「京都大学青竜会」へと足を踏み入れます。気軽な飲みサーだと信じ込んでいた安倍と親友の高村でしたが、代替わりとなる祇園祭宵山の日、会長の菅原から明かされたのは、千年の都に隠された真の活動内容でした。
それは、目に見えない小鬼(オニ)を使役して戦わせる謎の神事「ホルモー」を執り行うこと。京都を四神相応になぞらえ、京都大学(青竜会)、立命館大学(白虎隊)、龍谷大学(玄武組)、同志社大学(朱雀団)の4大学が覇権を競い合う伝統の儀式でした。半信半疑のまま儀式「長の儀」を終えた10名の新入生たちは、各自100匹、チーム合計1000匹のオニを与えられ、過酷かつ滑稽なオニ合戦の泥沼へと引きずり込まれていきます。
一見すると荒唐無稽な設定でありながら、京都の実際の地理や神社仏閣、歴史的背景が巧みに織り込まれているため、読者はいつの間にか「本当に京都の裏でこんな戦いが行われているのではないか」という心地よい錯覚に引き込まれていくのが万城目マジックの真骨頂です。