谷川俊太郎の詩業を語る上で欠かせないのが、1952年のデビュー作『二十億光年の孤独』である。宇宙の果てしない孤独と向き合った弱冠二十歳の青年詩人は、やがてその壮大な視線を地球上の人間たちの温かな営みへと注ぎ込んでいった。その到達点の一つが『朝のリレー』だ。
日本文学史において、難解になりがちだった現代詩の表現を極限まで削ぎ落とし、子どもからお年寄りまで誰もが直感的に理解できる言葉に昇華させた功績は計り知れない。出版業界全体に与えた影響も絶大であり、詩集という枠を超えて人々の生き方そのものに寄り添う詩のあり方を提示した。