図越利一にまつわる逸話は枚挙にいとまがありません。警察や対立組織に対する強硬な姿勢と、仲間や一般市民に見せる情愛の深さという二面性が、数々の図越利一の伝説を生み出しました。
象徴的なのが、他団体との抗争時における徹底した現場主義です。自ら先頭に立って危機を打開する胆力を持つ一方、無用な流血や市井の混乱を極力避ける調停の知恵を持ち合わせていました。取り調べを行う警察官に対しても筋を通した礼節を崩さず、取調官がその人間性に心服したというエピソードも残されています。
巨大組織の傘下に入らず、独立独歩の姿勢を崩さない「一本独鈷」の誇りは、古都・京都のプライドそのものであり、図越のカリスマ性を不動のものにしました。