アルゴリズムによって最適化されたポップソングがあふれる現代の音楽シーンにおいて、なぜ「タガタメ」のような重厚で問いかける楽曲が再発見されたのか。その背景には、情報過多と分断に疲弊したZ世代・α世代の切実な心情がある。綺麗事だけのメッセージソングにはもう騙されない。そう感じている若いリスナーたちにとって、人間の業(ごう)や矛盾を裸のまま差し出すMr.Childrenの言葉は、他のどんなトレンド曲よりも誠実で、救いとして響いた。
TikTokをはじめとするショート動画プラットフォームでは、紛争や経済格差のニュース映像とともに「タガタメ」のアコースティックラインやサビのシャウトを乗せた動画が拡散されている。バズを狙った意図的なムーブメントではなく、ユーザー一人ひとりの自然発生的な衝動が、この旧作を再び時代のフロントラインへと押し戻したのだ。