ナツメグ中毒の厄介な特徴の一つが、摂取してから中毒症状が現れるまでの時間(潜伏期間)の長さです。一般的な食中毒や化学物質の中毒のように、口にしてすぐ異変が起きるわけではありません。
通常、ナツメグ中毒の発症までの時間は「摂取後3時間から6時間」程度かかります。場合によっては8時間近く経過してから本格的な症状が現れることもあります。これは、原因物質であるミリスチシンが消化管から吸収され、肝臓で代謝されて活性代謝物が血中を巡るまでに一定の時間を要するためです。
また、症状の持続時間が極めて長い点にも注意が必要です。急性期の激しい幻覚や嘔吐、頻脈は12時間から24時間ほど続きますが、完全に体内から成分が代謝・排泄されるまでには24時間から48時間以上、長い場合は数日間にわたって激しい倦怠感や頭痛、うつ状態などの後遺症状(二日酔いに似た状態)が続くケースが多発しています。