インターネット上の旅行コミュニティやSNSでしばしば見受けられる誤解が、「日本三景はすべてユネスコ世界文化遺産に登録されている」という思い込みです。
事実として、日本三景の中で世界遺産に登録されているのは「宮島(厳島神社)」のみ(1996年登録)です。松島や天橋立は世界遺産には登録されていません。
松島はかつて世界遺産登録を目指す動きがありましたが、湾周辺の近代的なホテル建設や護岸工事、商業開発によってユネスコが求める「真正性(オーセンティシティ=景観が本来の姿を保っていること)」の厳格な維持が困難と判断され、暫定リスト入りを断念した経緯があります。天橋立も丹後地域の文化遺産群としての模索が続けられていますが、単独での登録には至っていません。
ただし、世界遺産でないからといって文化的価値が劣るわけではありません。松島も天橋立も、日本の文化財保護法における最高峰の指定区分である「国指定特別名勝」に指定されており、文化財としての保護体制と景観価値は国のお墨付きを得ています。
なお、日本三景観光連絡協議会により、林春斎の誕生日である7月21日は「日本三景の日」と制定されており、毎年現地では様々な記念イベントやライトアップが実施されています。