あの鮮烈な脚立姿から時を経て、本田翼の表現力は目覚ましい広がりを見せている。シリアスなサスペンスから軽妙なラブコメディ、さらには配信カルチャーやゲーム実況といったデジタルの最前線まで、彼女は常に枠組みにとらわれない独自のスタンスを貫いてきた。
飾らない等身大のキャラクターを守りながらも、作品ごとに異なる表情を見せる柔軟性は、まさにあの過酷なコメディの現場で鍛え上げられたものだ。役の感情を大げさに誇張するのではなく、自分自身の体温を役に通わせるナチュラルな芝居スタイルは、現在の映像界においても唯一無二の価値を放っている。
制服という記号的な衣装を着こなしながら個性を発揮した原体験が、今の揺るぎない自信へと繋がっていることは間違いない。