「梅干し食べてスッパマン」誕生秘話と元ネタ!伝説キャラの裏設定

「梅干し食べてスッパマン」誕生秘話と元ネタ!伝説キャラの裏設定

梅干し 食べ て スッパマン——この強烈なセリフとともに口を歪ませて空を飛ぶ変質者まがいのヒーロー。1980年代の昭和のお茶の間に爆笑を巻き起こしたあの姿は、今なお日本のポップカルチャー史において異彩を放ち続けている。

世界的な巨匠が遺した作品群の中でも、特に異色のアナーキーさを誇るこのキャラクター。往年のファンならずとも、なぜ「梅干し 食べ て スッパマン」という怪演が世代を超えて語り継がれるのか、その緻密に計算された誕生背景とパロディ構造を探ると、当時のエンターテインメント界を激震させた革新性が見えてくる。

元ネタは米国の巨編ヒーロー?スッパマン誕生の背景とパロディの神髄

誰がどう見ても、彼のモチーフはアメリカを代表する世界的ヒーロー「スーパーマン」だ。しかし、そこに真っ向から泥を塗るような倒錯的なギャグを叩き込んだのが、作者である鳥山明の真骨頂だった。

舞台となるペンギン村に突如としてやってきた自称・正義の味方。本名は暗黒タロウ。普段は平凡な衣装を着て電話ボックスで着替えるという本家の踏襲を見せながら、肝心の変身トリガーが「梅干しを食べる」ことにあるという脱力感が、視聴者の腹筋を崩壊させた。酸っぱさに顔をクシャクシャに歪ませながら「スッパマン!」と叫ぶカタルシスは、従来のヒーロー像を根本から破壊する痛快な実験だったのだ。

集英社の『週刊少年ジャンプ』で連載が始まった当時、日本の漫画業界は劇画調の重厚な作品から、軽快で洒脱なテンポを持つSFコメディへと大きな舵を切ろうとしていた。その中心にいたのが『Dr.スランプ』であり、スッパマンはその象徴的なアイコンとなった。

正義の味方なのにズルくて弱い?ファンを魅了する知られざる裏設定

スッパマンの魅力は、単なるビジュアルの奇抜さだけではない。彼が抱える「正義の味方らしからぬ裏設定」の数々が、キャラクターの奥行きを決定づけている。

実は彼、空を飛ぶ能力を持ちながらも、スピードは時速数十キロ程度しか出ない。長距離移動には自走式の三輪車やスケートボードを愛用するという情けない一面を持つ。さらに、悪者と対峙した際には、正々堂々と戦うどころか、手榴弾を投げつけて逃走したり、自分より弱い相手に威張り散らしたりと、姑息な手段を厭わない。

「格好悪い大人」の典型でありながら、どこか憎めない愛嬌がある。この絶妙な人間味(あるいは宇宙人味)こそが、40年以上の時を経ても色あせない人気の秘密と言えるだろう。

渡辺 美咲
Author

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。