彼の思考の骨格を理解する上で、その並外れたアカデミックキャリアは見逃せない。東京大学大学院人文社会系研究科で社会学を修めた彼は、伝説の碩学・小室直樹の主宰するゼミナールで徹底的な知的鍛錬を受けた。法学、経済学、数学、宗教史を横断する学際的なアプローチは、この時代に培われたものだ。
その後、東京工業大学で教鞭を執り、理系の秀才たちを相手に社会理論を展開した経験が、彼の議論に特有の「論理的明晰さ」と「無駄のないモデル構築力」を定着させた。現代社会学の枠に収まりきらない巨視的なスケール感と、構造主義の知見を血肉化した明快な語り口は、こうして完成されたのである。