しかし、近年の最先端脳科学は従来の常識に大きな揺さぶりをかけている。ハーバード大学をはじめとする世界的研究機関が主導する長期追跡調査によって、人間の脳は成人以降も環境や学習によって構造的に変化し続ける「神経可塑性(ニューロプラスティシティ)」を持つことが明らかになった。
日本の学術集会である日本心理学会や、世界最大規模を誇るアメリカ心理学会の最新シンポジウムでも、幼少期に形作られた気質は「初期設定のベースライン」に過ぎず、決定的な運命ではないという見解が主流となりつつある。特定のシナプス結合は日常の行動習慣や瞑想、心理療法によって再配線される。つまり、性格は静的な彫刻ではなく、動的なプロセスなのだ。