『進撃の巨人』の映像化は、WIT STUDIOが手掛けた初期の躍動感あふれるアクションから、MAPPAへと引き継がれた密度の高い人間ドラマへと移行した。アニメーション制作会社のバトンタッチは、エレンというキャラクターの成長および精神的な変貌と見事にシンクロしている。
初期の突き抜けるような怒りと純粋な情熱。そして後半で見せる、世界の真実を知ったがゆえの冷徹さと苦悩。梶裕貴は制作スタジオの映像表現の変化を敏感に察知し、トーンや息遣い、間(ま)の取り方を巧みに変幻させた。少年から青年、そして世界の敵へと至るグラデーションを、極めて精緻に声に乗せてみせたのだ。