耳管の機能不全によって引き起こされる病態が「耳管狭窄症」だ。自分の声が異様に響くオートフォニーや、水中に潜ったような難聴感を伴うケースが多い。さらに症状が進行すると、逃げ場を失った組織液が中耳に滞留する「滲出性中耳炎」へと移行する。
日本アレルギー学会の指針においても、アレルギー性鼻炎から続発する滲出性中耳炎は成人の難聴原因として警戒が呼びかけられている。小児だけでなく大人でも発症し、細菌感染による急性中耳炎のような激痛や高熱が出にくい分、静かに聴力を蝕んでいくのがこの病態の厄介な点だ。「耳の奥がゴロゴロ鳴る」「唾を飲み込んでも耳の抜け感が戻らない」といったサインが出たら、既に中耳炎のフェーズに入っている可能性を疑わなければならない。