店頭で見かける「カサブランカ」は特別な花に見えますが、植物学的にはユリの園芸品種のひとつです。カサブランカと百合の違いを一言で言えば、「百合という大きなグループの中に存在する、オリエンタル・ハイブリッドの最高峰品種」を指します。日本の自生種をベースに交配されたカサブランカは、純白の花びらがうつむき加減に咲き、濃密な芳香を放つ点が際立った特徴です。
日本に自生する代表的な百合を見分けるポイントは、花の形状と咲く向きにあります。
テッポウユリ(鉄砲百合)の特徴は、名前の通りラッパ(銃身)のような細長い筒状の花を横向きに咲かせる点です。花びらに斑点がなく、すっきりとした透き通る白さが特徴で、日本の自生種として初夏(5月〜6月頃)に見頃を迎えます。
一方、ヤマユリ(山百合)の特徴は、白地に鮮やかな黄色の筋と赤褐色の斑点が入る野性味あふれる大輪花です。花弁が大きく反り返り、山野に自生しながら強い香りを放ちます。このヤマユリこそが、後のカサブランカ誕生に決定的な役割を果たした原種です。百合の花の開花時期・季節は種類によって異なり、初夏のテッポウユリから盛夏のヤマユリ・カサブランカ(7月〜8月)まで、リレー形式で咲き誇ります。