碌山公園を深く味わううえで欠かせないのが、この地に名を刻む彫刻家・荻原碌山(本名:荻原守衛)の足跡です。1879年(明治12年)に旧東穂高村の農家に生まれた碌山は、上京して洋画を学んだ後、フランスへ渡航。パリでオーギュスト・ロダンの傑作『考える人』に強い衝撃を受け、彫刻への転向を決意しました。
帰国後、『文覚』や最高傑作と名高い『女』など、人間の内面や生命力を激しくえぐり出す不朽の名作を次々と発表。30歳の若さで急逝するまでのわずかな活動期間ながら、日本の近代彫刻史に金字塔を打ち立てました。
碌山公園の周辺には、碌山が幼少期を過ごした安曇野ののどかな風土が今なお息づいています。北アルプスからの清冽な雪解け水が流れる用水路沿いを歩けば、若き日の碌山が何を想い、どのようにこの美しい郷土の光景を心に焼き付けたのか、その感性の源流に触れることができます。