物語が佳境を迎えるなかで放送されたアニメ『ドラゴンボールZ』では、フジテレビ系列の毎週の放送に合わせて、視聴者の熱量が爆発的な高まりを見せた。特に魔人ブウとの死闘において、悟空が全宇宙の生きとし生けるものへ向けて発した叫びは、アニメ史に残る屈指の名シーンとして語り継がれている。
ここで重要なのは、悟空が強権的にエネルギーを奪うのではなく、あくまで「人々の自発的な協力」を求めた点にある。東映アニメーションによる臨場感あふれる演出と相まって、画面のこちら側にいる子どもたちまで自らの手を挙げさせるほどの没入感を生み出した。圧倒的なヒーローが一方的に世界を救うのではなく、名もなき民衆一人ひとりの意思が世界を救う鍵となる——この構造こそが、世界中の人々の琴線に触れた隠された真実と言えるだろう。