緑一色になる以前、リビアにはまったく異なる正統なシンボルが存在していた。1951年の独立時に初代国王となったイドリース1世のもとで制定された、赤・黒・緑の三色旗だ。中央の太い黒帯には白い三日月と星があしらわれ、オスマン帝国支配やイタリア植民地時代を生き抜いたキレナイカ、トリポリタニア、フェザーンの歴史的3地域を統合する誇りが込められていた。
カダフィはこの王政旗を「封建制と帝国主義の象徴」として徹底的に排除し、歴史の闇に葬り去ろうとした。国民がかつての旗を掲げることは反逆罪を意味し、厳しい弾圧の対象となった。だが、人々の記憶からあの三日月と星が完全に消え去ることはなかった。