日本人の体格は歴史を通じて一定だったわけではない。縄文時代の男性の平均身長は約158センチ前後であり、古墳時代から鎌倉時代にかけても160センチ前後を維持していた。ところが、室町時代に入ると徐々に下降線を辿り、江戸時代後期から末期にかけて歴史的底値を記録する。
この極端な縮小傾向は、単なる遺伝子の問題ではない。考古学者の分析によれば、縄文人は狩猟採集による多様なタンパク質を摂取していたのに対し、江戸時代は徹底した植物性油脂と穀類主体の食生活へとシフトした。明治以降の文明開化とともに洋食と肉食文化が普及すると、身長は一気に急回復を見せ、わずか100年余りで15センチ以上も伸長した。歴史の振り子のようなこの落差こそが、環境要因の凄まじさを如実に証明している。