固定ジェル導入における最大の懸念は、経年による「塗装面の融解」や「黄ばみ、ベタつきの残存」だ。PVC(ポリ塩化ビニル)やABS樹脂は可塑剤を含んでおり、化学組成が合わない粘着剤を長期密着させるとブリード現象を引き起こす。しかし、適切な手順と剥離のコツさえ掴めば、デリケートな足裏を無傷のまま保つことは十分に可能だ。
取り外す際の鉄則は、真上へ無理に引っ張らないこと。フィギュアを台座ごと反時計回りにゆっくりと「ねじる」ように回転させると、ジェルの粘弾性構造が自然に緩み、塗装膜を傷めずに浮き上がる。もし足裏に微細なジェル片が残った場合は、剥がした側のジェル本体の塊を使って軽く叩くようにペタペタと接触させる。ジェルの自己凝集力によって、溶剤を使わずとも跡形もなく回収できる。エタノールなどの有機溶剤はトップコートを侵すため、絶対に使用してはならない。