ドアを開けた瞬間、漂うのは重厚な薪の香りと甘酸っぱい発酵のニュアンスだ。壁面には朝鮮時代の白磁をイメージしたミニマルなアートが飾られ、静かにジャズが流れる。ここが韓国料理店だと即座に理解できる人は少ないかもしれない。
いま外食シーンの最前線で脚光を浴びているのが「モダン・ハンシク」だ。フランス料理や日本料理の精密な技法を取り入れながら、韓国伝統の薬膳や発酵の哲学をベースに構築されたコースディナーが、感度の高い大人たちの心を掴んで離さない。大皿をみんなで囲むかつてのスタイルから一転、美しく盛り付けられた一皿一皿がプレゼンテーションされる。