画面上のピクセルではなく、触覚に訴えかける「本物の質感」を求める人々が増えている。かつて余暇の趣味にとどまっていた木工クラフトは、現代において自己表現の重要な領域へと昇華した。一枚の木の板が持つランダムな木目や節は、キャンバスにはない唯一無二の表情を作品に与えてくれる。
この木という素材の可能性を早くから見出していたのが、現代アートの巨匠ダヴィッド・ホックニーだ。彼は伝統的なキャンバスの枠にとらわれず、複数のパネルや異素材を組み合わせたダイナミックな視覚体験を提示し続けた。今日、境界線が曖昧になりつつあるファインアートとクラフトの世界において、木材は新たな表現のキャンバスとして再評価されているのだ。