スマートフォンのSpotifyやYouTubeを開けば、世界中のあらゆる音源へ瞬時にアクセスできる時代だ。アルゴリズムがおすすめを提示し、完全無欠にマスタリングされたデジタル音源が日常に溢れている。だが、そうした便利さと引き換えに失われた「空気の震え」が、ここには確かに存在する。
日本ジャズ協会の枠組みに名を連ねるベテランから気鋭の若手まで、第一線のジャズミュージシャンたちがこぞってこのステージに立ちたがる理由は明快だ。演者と客席の距離が極めて近く、吐息や視線の交錯までもがインプロヴィゼーションに影響を与える。ミスさえもスリリングな表現へと昇華される生のセッションは、画面越しでは決して体感できない唯一無二の熱量を放っている。