それでは、「消泡剤不使用」を謳う豆腐は一体どうやって作られているのだろうか。毒性を避けるためではなく、差別化や技術的アプローチの違いとして理解するのが正確だ。
代表的な手法が減圧脱泡装置の導入だ。巨大な真空タンクを使い、物理的な圧力差で強制的に泡を吸い出す。あるいは、大豆を煮る段階で最新の連続密閉釜を使い、泡が立たないように徹底した温度・圧力制御を行う。いずれも高度な機械設備と莫大な電力、そして厳密な職人の管理を必要とする。
当然ながら設備投資や歩留まりの悪さは製造原価に跳ね返る。「無添加豆腐」が一般的な豆腐よりも数十円から数百円高く設定されているのは、原材料の差というより、泡を物理的に抑え込むための機械コストと手間の対価なのだ。どちらが優れているかではなく、どの技術に対価を払うかという選択に過ぎない。