審査員が選考の場で最初に着目するのは、技術の巧みさだけではありません。審査基準の根底にあるのは、「子ども自身のリアルな発見と感動が息づいているか」という一点です。
選考から外れやすい作品の典型例として、「図鑑の写真をそのまま写したような平面的構図」や「大人の手が過度に入った整いすぎた絵」が挙げられます。一方で、審査員から高い評価を受ける作品には以下の明確な共通点が存在します。
第一に、トンボと描き手の距離感が伝わるダイナミックなアングルです。トンボを真上から平面的に捉えるのではなく、下から見上げた青空、網を振った瞬間の手のブレ、草むらに止まるトンボの複眼の輝きなど、現場の空気が伝わる作品は強いインパクトを与えます。
第二に、「発見のストーリー」が背景とともに描かれている点です。公園の水辺、夕暮れの帰り道、家族で出かけた里山など、トンボが生きている環境や描いた瞬間の空気感まで丁寧に表現されている作品は、見る者の感情を揺さぶります。