このだんごの普及は、鉄道の歴史と密接に結びついている。かつて大沼公園駅のホームでは、停車する列車の窓越しにだんごを販売する「立ち売り」の光景が見られた。北海道旅客鉄道(JR北海道)の前身である国鉄時代、長旅に疲れた乗客にとって、車窓の湖沼群を眺めながら味わうだんごは至福の慰めだった。
窓が開く特急列車が消え、ホームでの立ち売り文化が幕を閉じた後も、旅の記憶としての団子の存在感は衰えるどころか強固になった。列車を降りてわざわざ改札を出て買いに行く価値のある名物として、全国区の知名度を獲得していったのだ。鉄道旅行の風情を色濃く残すご当地グルメとして、今なお多くの乗り鉄やバックパッカーがこの地を目的地に定める原動力がここにある。